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記事: 月子の「もうすぐ満月ですよ」経木は未来

月子の「もうすぐ満月ですよ」経木は未来

月子の「もうすぐ満月ですよ」経木は未来

月に一度、満月の頃に、季節のお話や暮らしのこと、心身のことなどお届けします。

 

経木は未来

 

長かった残暑も収束の兆し、いよいよ「行楽の秋」を迎えられますね。

お弁当を作って、山や高原、牧場などにお出かけした~い!気分がふくらみます。

 

そんな時に重宝しているのが那須塩原ブランド認定品にもなっている、那須塩原経木です。

経木は木をカンナで薄く削り出したもので、その名の通り最初は経典を写すものとして仏教とともに伝来したそうです。やがて包装材となり、調理の際の落とし蓋代わりになったりと、日常の食のシーンでの必需品になっていきました。

 

経木は吸水性・抗菌性・通気性があり、魚・肉などの生鮮食品、お惣菜、和菓子を包むのにピッタリ。包むだけでなく、好みのサイズに切って天ぷらの敷紙や和菓子の敷紙にもなります。お弁当箱の仕切りや底に敷けば、余分な水分を吸収してもくれます。

蒸し器に敷いたり、魚や穴子を煮たりする際にお鍋に敷いて(両端は鍋から出るくらいの高さに)煮れば、経木を持って食材を鍋から崩さずに取り出せます。落とし蓋にも活躍します。

 

何より気に入っているのが、おにぎりなどを包んでも水分を程よく吸収してくれるので、ラップやアルミホイルで包んだ時よりベタつかず、とても気持ちがいいこと。

那須塩原の経木は赤松から作られていますが、そのほのかな香りも食欲をそそります。

行楽のお弁当のワクワク感を、さらにアップしてくれるのです。

木なので使い終わったあとに、燃やすごみとなっても有害なことはなく、その気持ちよさもいいなあと思います。

 

いいことづくめの経木ですが食品用ラップやビニール袋が登場してからは、経木業は縮小の一途。那須では最盛期には38軒だったそうですが、今では1軒だけになり、全国的にも十数軒ともいわれています。

経木の厚さは、用途に合わせて0.051.0mm(那須塩原経木は0.150.18mm)。専用の機械で削りますが、その厚さの調整は熟練の職人の手技から生まれます。経木業を存続していくには職人の高齢化も大きな問題です。

 

でも嬉しいことに、最近はSDGsの視点から、経木が再評価されるようになってきました。おしゃれな雑貨のセレクトショップで販売されていたりもします。多くの人が経木を使うようになれば、森の資源を生かすことにもなります。若い後継者誕生への期待も膨らみます。

 

懐かしいイメージの経木ですが、自然と共に暮らす心地よい未来へと繋がっているようにも思えて、なんだかますます経木びいきなこの頃です。

 

 

 

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