月の巡りと共に－「那須贅沢時間」9巡り目「スポーツアロママッサージLILACsens.代表山田祐子さん」

　新たな目標設定やチャレンジの始まりに適している、新月の日。そんなエネルギーが満ちてくる時に、那須の自然におしえられながら満月化粧水「月子」を誕生させた（株）サクネス代表の澤野典子が那須周辺で素敵な生き方を紡いでいる方をご紹介。あなたの中の新たなスイッチが見つかるかもしれません。

太陽の笑顔と月の癒やしで特別なひとときを

香りで心にもアプローチするアロマ精油を使いオイルマッサージするアロマセラピーをスポーツの分野に生かし、心身の奥底にある疲れを癒やし、コンディションを整え、ケガの予防やパフォーマンス向上につなげる「スポーツアロママッサージ」。

山田祐子さん

宇都宮市のスポーツアロママッサージ「LILACsens.」代表の山田祐子さんは個人に合わせた天然の純度100%のアロマ精油を用い、体に語り掛けるように、疲労も不安も包み込むような温かく柔らかな手でオイルを浸透させていきます。

「大きな手がコンプレックスだったけれど、やっと役に立ったって感じ（笑）」と笑顔で語る山田さんは、東京都に生まれ、大学を卒業し、企業に就職した後の1994年、結婚を機に栃木県へ。

男の子3人を育て、旦那さんのご実家の事業を手伝い、別にパートもしながら2006～17年の間に日本アロマ環境協会公認アロマテラピーアドバイザー、メディカルセラピスト、日本スポーツアロマトレーナー協会公認スポーツアロマトレーナーといったアロマに関する資格を次々に取得していきました。

スポーツアロママッサージ

私：スポーツアロマトレーナーになったきっかけは。

山：理由は２つ。息子全員サッカーをしていてケガが多く、成長痛もあったのでケアしてあげたいと検索する中、スポーツアロマというジャンルを見付けたこと。

もう一つは、障害のある児童が学校後や長期休暇中に通える「放課後等デイサービス」でも仕事をしていて、有資格者が多い中、無資格で携わっていた私は資格があるからできることがあることを目の当たりにして、「この人だから任せられるという資格がほしい」と思ったんです。

山田さん

それで、スポーツアロマの資格を取るべく家業や仕事の合間を調整しながら恵比寿にある学校に通って、オリンピックの選手村でのケアも担当した、スポーツアロママッサージの先駆者の一人神崎貴子さんに直接指導していただきました。

私：事業として走り出したのはいつ頃から。

山：最初の頃は、アロマセラピーとスポーツアロマをあまり区別せず、認知度を上げるために講座を開いたり、イベント出店したり。でもある日、経営コンサルタントの方に「始めた時の対象は誰か。対象を絞った方が良い」と言われて、「私はアスリートのケアをしたかったんだ」って気付いたの。

私の中で「健全」がキーワードで、健全に競技に臨むプロ選手がファンの方と感動を分かち合う期間をできる限り長く、健やかに安全に保つお手伝いがしたいって改めて思えた。そう思った途端にＪリーグ加盟を目指す「栃木ウーヴァ」のサポートの提案があったことで…

山田さんの快進撃が始まります。

知人からの提案はあったものの何にも決まっていない段階でスタジアムに行き、マネジャーに交渉。マネジャーが試合直後の選手を招集し、急遽、8人くらいの選手にマッサージを施すことになったのです。驚きつつも一生懸命施術すると「背中も」「次はいつ来てくれるのか」と好感触。後日、監督、チームの公認を獲得。ボランティアで可能な限り試合に同行し、会場にベッドなどをセッティングし、選手がどんなに汗や泥まみれでも心を込めてケアしたそうです。

「疲れが残らない」「パフォーマンスが上がった」と効果を実感した選手から別競技の選手にも評判は広がり、元ビーチサッカー日本代表磯裕章さんや元侍ジャパン女子代表の川端友紀さんなどトップアスリートからの依頼が舞い込むようになったのです。

山：おかげさまでいろんな方と出会えました。ご縁が舞い込んでくるから、楽しい。

私：山田さんこその施術があるからよね。

そもそも、スポーツアロマの魅力は。

山：通常のアロマケアではアロマ精油の濃度は1～3％。でもスポーツアロマは5％まで濃度を上げて早期疲労回復ケアをすることが特徴です。香りだけでなく、より効能を皮膚から吸収させることで作用が強く、効果的に働く手法を施します。

私：濃く使うから、質の高さが必須よね。

アロマ精油

山：そうなんですよ。農薬や原料に不安のある危険な商品もあるから、私は信頼のおけるブランドの精油を選んで使っています。

そして、私の場合は施術で使う精油は施術を受けられる方と一緒に選んでいく。自発的な気付きと「自分だけのオイル」という特別感が得られるし、そういう工程を経てブレンドしたオイルは自然とその人に合ったいい香りのものになるの。

お客様とオイルを選択

力加減とか難しいことよりも「自分は大切にされている」と感じてもらうことが一番のケアだなって。それが最近出た答え。

「健全」で心もケアするマッサージでは、「月子」も日焼け後の肌やオイルを塗れない部位へのケアで使われています。

全国物産展

山田さんとは2015年、夫の写真展で出会い、意気投合。後日、「月子」の使用感に感動して連絡をくれたことが始まりです。以来、コラボイベントを開いたり、東京・池袋での全国物産展に同行して月子を使ったアロマのレクチャーをしてくれたり。秋の満月の日に行うヘチマ水の採水にも2、3回参加してくれています。

採水の様子

山：月子さんに出合ってなかったらヘチマを語ることはなかったと思います（笑）。

那須という神聖な土地で月暦に合わせた昔ながらの農法、素材でできた化粧水。月子さんも「健全」ですよね。

そうだ、今日（取材当日）スーパームーンですよね！選んだんですか。

私：この日が良いなと選んだら、たまたま満月だったの。不思議とだんだんサイクルにのってくるのよ、自分の生活が。

カレンダーが無い時代、人は月の満ち欠けが体に影響を及ぼすことを分かっていたと思うのよね。私たちも動物、生き物である以上はそこを意識した方が生活はスムーズ。体調が優れなくて寝てばかりの時って落ち込むじゃない。でも「あ、月と太陽のバランスが不安定な頃だからか」と分かれば、そんなに焦らずに済むのよね。

イタリア食堂ヴェッキオ・トラム」のテラス

月のパワーがさらに大きくなるスーパームーンのこの日。取材場所は、山田さんのお気に入りのお店、高根沢町の「イタリア食堂ヴェッキオ・トラム」のテラス。時刻はもうお昼過ぎ。新緑の光、トマトのフレッシュ感や石窯ピザの香ばしさを伝える香りと女性で満ちた店内の活気に促され、会話はさらに広がります。

私：多忙な中、音楽、アートの教室にも通っているのよね。

山：そうなの。未知の世界で初心に返りたいのと、それを教えてくれる人に触れることが楽しいんだって最近気づいたの。その人との間に起きる「現象」が好きなんだって。

私：そうすると山田さんの施術も「現象」よね。その時、その場で山田さんとしか生み出せない「現象」。

施術の様子

山：そうですね。私だから起こせる「現象」、アクションで役に立ちたいですね。

最近、講師依頼も続いて、3回コースの講座では受講者全員が施術を受けられるお得感、アロマブレンドを自分で作れてスポーツを頑張る我が子にも施せるようになるという流れを想定して内容を組み立てました。最後に礒さんにゲスト登場していただきストレッチなどのレクチャーとモデルになってもらう「特大ふろく」も！私だからできる講座にしたかったんです。結果、生徒の皆さん大喜び！それを横で見ているのが楽しかった。　

私：「現象」を作るのが好きなのね。

最近は、教える方にもシフトしていっているのね。

山：そうなんです。多くの方に伝えつつ自分自身も実績を重ねて、結果、「スポーツアロマのおかげで栃木県のスポーツの活躍がすごいぞとなったらいいな」と思っていた時に丁度、講師依頼が舞い込んできたんです。「たまたま現象」（笑）。

私：「現象」も引き寄せてる（笑）！

会うたびに子どものように好奇心に膨らんだ瞳を輝かせている山田さん。今、トレーナーとしての活動の他、高根沢町の臨時職員として創業支援に携わり、NHKラジオのリポーターも務め、ハープや絵画の教室にも通っています。様々な挑戦、学びがどんどん浸透していくのは〝ピュア〟な証。月子さんと相性が良いはずです。

太陽のようなエネルギーと、月のように静かな癒しの光はスポーツ界、癒やしを求める私たちにどんな「現象」を起こしてくれるのでしょう。

楽しみにしつつ、私たちもそれぞれの「現象」を生み出していきたいですね。

LILACsens.（ライラックセンス）